本当の望み

クリーン・ランゲージのセッションでは、最初の質問は必ず「起こってほしいことは何ですか？」だ。この質問からクライアントの望んでいる結果を明確にして、セッションを進めていく。

この質問をされて、多くの人がほぼ条件反射的にお金が欲しいと言う。「たくさんのお金が天から降ってくる」、「宝くじに当たりたい」、などの答えが半数近くだ。その次に多いのが、ボーイフレンド。これは女性クライアントが圧倒的に多いためだろう。数少ない男性クライアントでガールフレンドを上げた人は今のところいない。「優しくて、お金持ちで、気前がいい男」「私の仕事を全面的にサポートしてくれる人」、私の知らない俳優だったが「○○さんのような人と恋人になりたい」というクライアントもいた。

ところが、セッションを進めていくうちにお金やボーイフレンドが本当に望んでいることだったのかという疑問がわいてくる。早い人では５分もしないうちに、じつはお金ではなく、愛や、自信、自由、が欲しかったのだと気がつく。ボーイフレンドが欲しいと言った人は、つまるところは安心や安定が欲しかったのだと気がつく。そして、愛、自信、自由、安心、安定などの概念的な言葉を個人的なレベルに紐解いていくと、意外にも簡単に手に入ることがわかったり、じつはすでに持っていたりもする。

「起こってほしいことはなにか」という問いの条件反射的な答えには、私たちの根強い条件付けが隠されているようだ。