活元運動
意識的に身体の特定の筋肉を動かす一般的な体操やヨガと違い、意識では動かせない不随意筋の働きを鍛えるメソッドなきメソッド。3種類の簡単な準備運動だけを意識的に行ったら、あとはポカンとして、背骨あたりから運動が起こってくるのを待つ。動き始めたら、あれこれ考えず、身体のしたいように従う。まさに、身体がセルフ・トランスに入っていく感じ。気持ちいいと感じる限り動きを続ける。十分やりきった感じがしたらやめる。シンプルすぎて、知識の多い人や頭で考えすぎる人には難しいだろう。
野口氏ははじめ、輸気と手技で奇跡的な治療をしていたものの、次第にクライアントがそれに依存していく姿に危惧し、このような運動を提唱して人々が自分で自分の身体を治すよう、自立を促したそうだ。医学が生まれるもっと前から、ヒーラーや、シャーマン、メディスン・マンのような人たちが自然な方法で治療を行ってきたのだろうけど、それよりもっと昔は、人間も動物と同じように、具合が悪くなれば、絶食して、必要があれば身体を動かして、なければじっとして、身体が勝手に治ってくれるまで信頼して待つということができたのだろう。
そういえば、瞑想の師オショーも、70年代に弟子たちにシャクティパッド(眉間に指を当ててエネルギーを与える)をしていたそうだが、弟子たちは安心して瞑想を怠けてしまったので、中止したそうである。