肉体へのアイデンティティー
ダイナミック瞑想第3ステージで10分間飛び続けた後、「ストップ!」の合図で凍り付いたように静止する。荒い呼吸が落ち着くころ、汗ばんだ皮膚がちりちりちりちりと騒ぎ出し、激しい痒みが襲う。
観る・・・、観る・・・、観る・・・。
肉体と観照の間にべっとり、ねっとり、『私』がいる。観照と『私』の間には距離があるが、『私』と肉体がほとんど一体化している。ははあ、これが自己同化の正体か。そこを観る・・・、観る・・・、観る・・・。
「痒い、痒い」と『私』は言う。その声には不満と批判が込められている。快・不快、良い・悪いの判断がある。そして『私』と肉体は離れがたく一体化している。
観照はこのすべてを見守っている。このすべてとの間には距離がある。
それでも、苦しみは続く。
幾生も持ちこしてきたこの宿題を、今生やり遂げることができるだろうか?
さらに観る・・・、観る・・・、観る・・・。
この肉体は、今日で55年使用したことになる。